母乳って赤ちゃんを産んだら自然と出てくるのかなと漠然としか考えていなかった私は、おっぱいのお手入れをしないと母乳は出てこないということがよく分かっていませんでした。
産後、ホルモンの影響で刻々とダイナミックに変化していく母体の状態についていけず、初乳が作られているけれど乳腺が開通していないため、ポタポタしか母乳はでてきませんでした。赤ちゃんはまだ十分に吸えず、吸っている途中で寝てしまいます。そのため、乳房はパンパンに張り、退院した日の夕方には、乳腺炎になってしまいました。発熱も生じ、乳房が赤く熱をもってきた状態に医療従事者で炎症の早期発見を仕事としている私は、細菌感染➡切開排膿が頭をよぎりました。そこで、途方に暮れながら地域で訪問による乳房マッサージを行っているところを検索し、偶然辿り着いたところが村上さんの母乳育児相談室でした。
電話がつながり村上さんの声を聞いたとたん、涙が溢れてきて話すのがやっとでした。村上さんは状況を察知し、問診で葛根湯内服と患部の冷却を指示され、翌日は祝日にも関わらず訪問してくださいました。退院したばかりの重い体で新生児を抱えて外出する気力も余裕もない中、自宅を訪問して頂けたのは本当に有り難かったです。
村上さんのマッサージは適確で心地よい指圧で進行していきます。また、押すと痛い部分を熟知されているので、痛みは大丈夫かどうか十分に配慮してくださいます。処置後のおっぱいはなんとも柔らかく、心まで軽くなるのが分かりました。何回かやって頂くことで乳腺炎は改善し、少しずつ乳管が開通してきました。併せて授乳姿勢や赤ちゃんが乳頭を口に含む深さや角度など毎回細やかに指導してくださり、次第に授乳が生活の一部となっていきました。産後は不安の塊で、些細な事はなんでも相談していましたが、ご自身の経験を交えながら優しくアドバイスしてくださり、なんと心強かったことか。初めてお会いした日に教えて頂いたおひな巻きは巻くだけで赤ちゃんが安らかになり、大変助かりました。
赤ちゃんに頻回に吸ってもらい毎回40cc程度足すことを繰り返し、2か月目にはほぼ母乳だけで足りるようになりました。赤ちゃんとの共同作業でここまで自分の体が変化するとは驚きです。しかし母乳が出るようになってからは、2週間に1回は乳腺炎に悩まされ(これまで6回もなっています!)搾乳や授乳姿勢、日々の食事など試行錯誤しながら今に至りますが、乳房トラブルを乗り越えながらほぼ母乳で赤ちゃんを育てられているのは母乳育児の導入部分を手伝ってくださった村上さんおかげの一言に尽きます。本当にありがとうございました。
訪問の形態で産後に寄り添ってくれる助産師さんの存在や自治体や助産師会に問い合わせると地域の助産師さんを紹介してくれることを知った今は、自らの経験と解決策について周りの人に話すようにしています。対処方法を知っていることが産後何かあった時に一人で抱え込まず、母子ともに健康でいられる秘訣だと実感しているからです。